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2012年5月21日 (月)

寄り添い支える 

南日本新聞の「寄り添い支える」というコーナーに2年間で4回、記事を掲載させていただくことになりました。その初回が今回の記事です。自分の仕事を通して、このテーマに沿った内容を記事にできればと思っています。できるだけ、読んでいただく方々に分かりやすく伝わるものになるよう心がけていきたいです。今回のテーマは、私自身もとても関心の高いテーマです。高齢者の介護の仕事に関わり約20年経ちます。私が勤務した頃は、胃ろうではなく鼻から管を入れた人が多かったですが、ここ20年で胃ろうの方が60万人ほどに増加しました。

平成243月に厚労省老健局老人保健健康増進等事業として、社団法人 日本老年医学会より高齢者の摂食嚥下障害に対する人工的な水分・栄養補給法の導入をめぐる意思決定プロセスの整備とガイドラインが作成され示されました。「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン― 人工的水分・栄養補給の導入を中心として」の中身は大きく3つの柱から成っています。

第一部医療・介護における意思決定プロセス

第二部いのちについてどう考えるか

第三部 AHN 導入に関する意思決定プロセスにおける留意点

今後、胃ろうの導入・減量・差し控えや撤退も含んだ様々な議論が展開されていくことになりそうです。関心のある方は、インターネットで検索して確認してみてください。しかし、大事なことは記事にも書きましたが、自分の人生を自分で考え決めるという人としての基本姿勢のような気がします。胃ろうや延命の是非を主語に語り始めると、なかなか出口が見えない議論になってしまいます。ぜひ、このようなことにも関心をお持ちいただき、身近なこととして考えていただくきっかけになればと思います。

                                                                    林田貴久

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コメント


林田さんのご活躍いつも陰ながら応援させていただいています。私の祖母も5年前胃ろうにするか否か親族で議論しましたが食べることが大好きな祖母でしたので家族の強い希望で施設の方々のご尽力のもと今春亡くなるまで胃ろうはせず100歳の長寿を全うし旅立ちました。でもいざ自分のことの判断を迫られたら私はどう決断するでしょうか‥。生きたいという自分の思いだけでの答えは出せない様な気もします‥。でも超高齢化社会の今、しっかりと自分の老後について考えていかなければ‥と思うことでした。

 いちごさん、ご意見ありがとうございます。僕もいちごさんと同じ気持ちです。自分のことになると、なかなか具体的なイメージがもてません。ただ、大切なことはこのことに限らず、自分のこととして考える習慣をつけることはいろいろなことに役立つような気もします。
 日本の超高齢社会は、世界のどの国も体験していないスピードで、どの国も踏み込んでいない未知の時代にいち早く突入します。どこにもモデルも答えも無いので、自分達で考えて自分達で一番良いと思える答えを実践していくことが必要なのでしょう。今回の記事を見た他の方々からもいろいろなご意見を頂きました。僕は今後もそのような思いのある方々と、このようなテーマについて地道に考えていければと思います。また、その時はいちごさんも参加してください。宜しくお願いします。

記事拝見しました。
自分の事とはいえ、とても難しい判断です。自分を支えるまわりの気持ち、又その時々で気持ちも変わる、自分の思いだけではどうにもできないこともたくさんあるかもしれません。でも、早いうちから自分の生き方を考え、まわりともたくさん話し合い、いつか迎える人生の終末に備える必要があるのだと私も思います。

 さっぽろさん、ご意見ありがとうございます。確かに、人は一人で生きているわけではないので、自分の思いだけでは決められないことも多いですよね。先日、この記事を読んだというある利用者のご家族が、「難しいけど、自分のこととして考えてみるよ」と話されました。
 もし、さっぽろさんが近くの方なら、10月13日に鹿屋のリナシティかのやで行われる、大隅地区認知症グループホーム協議会主催の認知症セミナーにぜひおいでいただければと思います。今回は、東京の特別養護老人ホーム芦花ホームの医師で石飛幸三先生をお招きします。先生は、「平穏死のすすめ~口から食べられなくなったらどうしますか~」の著者です。何かしら、このようなテーマを考える上で、参考になることが多いと思います。また、チラシが出来たらホームページやブログにアップしますね。
 

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