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2011年12月22日 (木)

介護職員による痰の吸引の来年度施行を前に

みなさんは、石飛幸三先生をご存知でしょうか。東京都世田谷区にある特別養護老人ホーム芦花ホームの常勤医であり、『「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますかの著者でもあります。現在私は、全国社会福祉協議会が出版している「ふれあいケア」という雑誌の編集委員をさせていただいています。昨日、ふれあいケアの来年3月号の巻頭特集「再考 医療との連携」というテーマで、先生にインタビューをしてまいりました。先生は、「平穏死のすすめ」の中で、高齢期における医療の在り方や、生活の質について自身の体験から丁寧に分かりやすく示されております。現在の介護現場は、医療的な管理が必要な方が急増し、特に胃ろうや痰の吸引等の必要な方が増加しているのが現状でしょう。

そして、いよいよ来年より介護職員による痰の吸引が合法的に実施されていきます。このような現状に、不安を抱えている職員が多いのも事実だと思います。そこで、今回先生にそのような実態も踏まえてお話をお聞きしてきました。詳しい内容は、ふれあいケア3月号を読んでいただきたいと思いますが、そもそもなぜこのような現状になっているのかを、介護や医療に従事する私たちは考えてみる必要があると思います。「なぜ、胃ろうの人がこんなに増えたのだろう?」、「もし自分が胃ろうをしないといけなとなったらどう思うだろう?」など、胃ろうに限らず今の自分の介護現場の状況を振り返る機会が必要だと思います。次にはそこから感じた矛盾を言葉や行動に起こすことも必要でしょう。不安に感じたり、諦めていても何も始まりません。

先生の話の中で印象的だった言葉を少し紹介します。「自分が人にされて嫌なことを、他者にするというのはいかがなものか」、「特養は看取りを積極的に行うべき」、「何もしないという選択肢もある」・・・。この言葉だけでは伝わりづらいと思いますが、関心のある方はぜひふれあいケアをお読みください。これから介護がどのように変容するのか、あるいは私たちはどのような視点をもつべきなのかについてヒントが得られるかもしれません。今朝、ニュースで介護報酬は実質的なマイナス改定と流れていました。私たちの目の前には、難題や課題がまだまだありますが、一歩でも半歩でも前に進みながら日々過ごしていきたいものです。

                                                                 林田

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