寄り添い支える
昨日の南日本新聞の「寄り添い支える」のコーナーに、5月に続き2度目になる私の記事が掲載されましたので紹介させていただきます。
現在、国が進める地域包括ケアシステムという仕組み作りがあります。これは、なるべく住み慣れた地域で末永くその人らしく暮らし続けるという考え方です。住み慣れた地域には、その人の歴史や仲間やなじみの関係があります。そこで暮らし続けるということは多くの方の願いだと思います。私もその一人です。
一方で、日本の人口は減っていきます。高齢者は増えますが生産年齢人口と言われる若い人は減少し続けています。記事にも書きましたが、「入院している親が病院から退院を求められている。どこか入所できるところを探してほしい」という悲痛な声を何度も聞いてきました。自宅で親をみたくても、仕事や遠方に住んでいるなどの理由でみれない方々も数多くいます。私は記事の中に、生活に援助が必要になった時に一番必要なことは「安心」であり、信頼できる人がそばにいる環境だと書きました。自宅で生活する場合には、ヘルパーであったりケアマネージャーであったり、介護事業所のスタッフであったりとそれまでは関わりになかった人たちとの関係も生まれるでしょう。施設に入れば、そこのスタッフや同じ入居者同士の関係も生まれます。
今回の記事に中の写真に写っていた女性は、今年の4月に高校を卒業して長寿園に就職した方です。介護については一から勉強中ですが、その笑顔からも分かるように入居者の方々と接することが大好きです。このようにどこで暮らすことになっても、そこに必ず新しい出会いと関係が生まれます。どこで生活していたとしても、暮らし続けていく中で、「誰が自分の近くにいてくれるか」ということは、実はとても重要なポイントのような気がします。
林田
お疲れ様です。新聞、何度も繰り返し読ませていただきました。
花海家では4月の介護保険制度改定以降、新聞を積極的に活用し、気に入った記事をスクラップしたり記事についてスタッフ・利用者様で共に感想や意見を交換し合う時間を設けています。
早速20日の林田さんの記事を一昨日、昨日と利用者様に読み聞かせをし、利用者様からの沢山の素晴らしい感想をいただきました。一番身近な話題でありながら普段面と向かって話せなかった【最期】について、皆さんときには涙を浮かべながら話してくださいました。その中の一部を紹介させていただきます。
「今は超高齢社会っていうんだねぇ。私には息子たちがいるから安心してるけど子供たちにも生活があるからいざという時のために今から先のことをもっとしっかり話し合っておかないといけないねぇ。」70代女性
「私たちはこんな風に当たり前のようにいろんな人たちから大切に思っていただいている・・最初はデイサービスに来ることも周りに少し恥ずかしかったけど、普通に元気でここに通えることがどんなに幸せなことか今わかった。有難い。」80代男性
そして特に一番心に残ったのが80代女性独居の方の次の言葉です。
「毎日毎日いつまで生きられるのかと思いながら生活している。息子も忙しいから頼れないしね・・私、近頃物忘れも多くなっているよね・・
家にいると急に不安になることが多いけど、花海家に来てお風呂に入って、皆で歌ったり話をして、美味しいご飯を食べて、さあ昼寝・・っていうとき
【あ~このまま天国のお父さんが迎えに来てくいやれんどかい・・】とよく思うのよ・・あんたたちに看取られて花海家から天国に行けたらどんなに幸せかと思うがよ・・」
日々・・悩みながら、迷いながらまた前進・・の繰り返しでここまで来ましたが、私の選んだ介護の仕事ってこんなに奥の深い素敵な仕事だったんだと思った瞬間でした。この仕事に出会えたこと、沢山の大切な利用者様に出会い、沢山のことを教えていただけたことに感謝しています。
支えられているのは私のほうかもしれません・・☆
投稿: 花海家 Y・H | 2012年8月22日 (水) 23:30
利用者の方と素敵な時間を過ごしていますね。僕らが思うより、実はお年寄りの方々はよく理解されているし、考えていると思います。パーソンセンタードケア・・・最近、聞きなれた言葉です。周囲がその人の思いを汲み取り、その人を中心に考ええる関わりというような意味で使われることが多いです。
でも僕は、思いを汲み取る前にしっかりとその人と話をすることが必要だと思います。やはり、自分の人生を決めるのは自分であるべきだと思います。「死」もタブー視するのではなく、今回のようにしっかりと向き合い、その人の死生観や思いを知ることで最後の迎え方が変わってくると思いました。コメントありがとうございました。
投稿: 林田 | 2012年8月23日 (木) 22:25